《CM考査の基礎知識その9》NG表現を回避するテクニック~健康食品~

目次

(1)抽象的な言い方をする

表現をぼかすということがとても大事です。例えば、「健康にいい、身体にいい、元気、美容にいい」。このような感じでぼやかす。いろいろなとり方ができる表現ということがとても大事です。

健康にいい、身体にいい、そして美容にいいというのは、人それぞれ違うと思います。健康にいいというところも、日頃快調に過ごせていたら、それは健康にいいと取る方もいるでしょうし、毎日のお通じがちゃんとしていれば、それが健康にいいと考える方もいます。

皆それぞれ健康ということでは捉え方が違うということで、そのような「いろいろなとり方ができる表現」であればOKということになります。

(2)あくまでも現状維持に徹する

いまも健康だけれども、今後も健康でいたい。そのためにこちらをどうぞというような形です。

「●●の方へお勧めです」という表現。例えば「便秘でお悩みの方」ですとか、いま(現状)マイナスの状態で、それを服用するここ(食べること)によって、プラスに持っていく(改善しますよ)という言い方はNGです。また、現在疲れている、マイナスの部分を持っている方に召し上がっていただくことによって、プラスになる。その効果は「回復、改善」ということになるので、これもNGです。

そういった場合にはどうするか。現状の「いい感じ」を今後もキープする。若しくはよりよく、もっと楽しくするような形で表現してください。 例えば「働き盛りの方にお勧めです」。「元気な毎日を過ごしたい方に」など。その言葉だけではマイナス要素がない。現状もいいけれども、それを食べることで、より元気になりましょうというような表現です。

(3)効能効果の話と商品の話をずらす

効能の話をストレートに言ってしまうと、医薬品的な効能効果になってしまうのでNGです。そこで、どういうふうに話を変えていくかをいくつかご紹介していきます。

1.「カルシウムの吸収を高める」ではなく…

カルシウムというものの吸収を高めるという「作用」 になってしまいますので、こういった表現はできません。そういった場合には、「カルシウムと相性のよい」というような表現を使っていきます。

2.「アンチエイジング」ではなく…

「アンチエイジング」はヒットキーワードで、いろいろなところで出ていますが、健康食品や化粧品の広告で使うことはNGです。こういった場合には。「若々しさ」という言葉を使います。 「若さ」と言い切ってしまってはいけない。必ず「若々しさ」ということがポイントになります。

3.「血糖値が気になる方へ」ではなく…

血糖値はメタボ関係のキーワードとして健康食品でもよく見かけますが、本来はNGです。「糖を気にする方へ」、「甘いものを気にする方へ」。このような「ただ単に糖分というものを気にしている」というような表現にします。

4.「効き目の早さ」ではなく…

効能効果そのものの「効き目」がまずNGです。「実感のはやさ」であれば、人それぞれ捉え方は違うからです。ある人は例えば一週間で効かないと効き目があるとは思わないかもしれない。別の方は1ヶ月2ヶ月であらわれればいいやと思うかもしれないからです。

5.「自然治癒力」ではなく…

漢方系で使われる「自然治癒力」という言葉も、健康食品ではNGです。そういった場合には、「自己活性力」という何か分かったようで分からない言葉を使います。

6.「漢方」「薬草」ではなく…

薬をイメージさせるような言葉というものも健康食品で用いることはNGとされています。こういった場合はどうするかというと、「ハ一ブ」という言葉を使ったり、「和漢植物」という言葉を使ったりします。

7.「成人病対策」ではなく…

「成人病対策」もかなりヒットキーワードですが、このような表現も使うことはできません。「生活習慣の改善」、「生活習慣を改善する」に改めます。

8.「生活習慣病」ではなく…

「生活習慣病」という言葉もNGです。「生活習慣を改善する」と改めます。

9.「精力増強」ではなく…

「精力増強」ということも健康食品ではNGになってしまいます。そういった場合には、「精力的で活動的なあなたをつくる」。これも分かったような分からないような表現ですが、このような表現を使います。

10.「治癒力」ではなく…

これもNGです。前後の文章にもよってくるのですが、「パワー」というような言葉を使ったりします。

11.「免疫力」ではなく…

これも免疫という言葉自体が医学的な言葉になりますので、ここは「活性力」というような言葉で置き換えを行います。

12.「有効成分」ではなく…

「効く」という言葉自体がNGな言葉になってしまいます。こういうときは、用いるという漢字を使って「有用成分」に改めて使います。

13.「予防のために」ではなく…

「●●を予防のためにお召し上がりください」というのもよくありますが、「予防」というものも医学的な言葉ですからNGです。こういった場合には、「転ばぬ先の杖として」など、ことわざやいろいろな言い回しを使って書き換えます。

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コラム著者/代表紹介

合同会社アドリーガル 代表社員(CM考査アドバイザー)
保有資格:消費生活コンサルタント
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会会員

1945年生まれの博多っ子。
1968年慶應義塾大学法学部政治学科卒業
同年RKB毎日放送入社
1998年第6回日本広告連盟広告大賞「ありがとう~世界一短い感謝状~」プロデューサー
2006年までRKB毎日放送ラジオCM考査責任者 退職
2008年から合同会社アドリーガルを創立し、現在に至る。

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