《CM考査の基礎知識その1》考査と営業の二兎を追う

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法令遵守と営業受理

近ごろ、新規のクライアント様の話でこんなことがありました。「今までに扱ったこともないような業種でも話があれば、積極的に取り扱いを検討しなければならない。景気が悪くなると、その企業からの出稿は少なくなるうえ、怪しいものも増えてしまう……」そんなお声が増えています。

営業要請で考査の内規を変えたり、 考査の基準を下げるような事態になっているのではないでしょうか。

いったん考査で“NG’’と判断した見解が、 営業事情によって“OK ”にするように求められたり、それに反対すると「営業受理」という“強権が発動’’されることも 珍しくありません。まさに考査としては「不況の時代の到来」です。

売上を取るか?正しいことを取るか?そのはざまで「CMは信頼」という柱が揺るぎ始めています。

しかし、望ましいのは「営業か、考査か」の“二者択一’’ではありません。
「営業も考査も同時に追求する」が正解です。

両者を天秤にかけずに、「利益も追求するし、コンプライアンスも追求する」。この2つを同時に追い求めるという発想が重要なのです。両者それぞれの立場を正しく理解すれば、二兎を追うことは可能であると考えています。なぜなら、守らなければいけない営業と考査の“共通の商品価値”は信頼されるCMにあるからです。

チーム一体でつくりあげる広告へ

キャスターの生島ヒロシさんはこう言っています。

厳しい不況の中で、スポンサーの獲得もやさしくはない。スポンサーは「選択」と「集中」の時代になっているようだ。そんな中で、 ラジオのお値打ち感を出すために、営業、制作、バーソナリティーが一体となってアピールしていかなければならない。
「道徳なき経済は罪悪であり、 経済なき道徳は寝言である」と、 二宮尊徳の言葉にある。 経済状況は明るい見通しがなかなか見えないが、ラジオとスポンサーの両者がお互いにW I N-W IN(お互いに勝つ)の関係になる道は必ずあると思う。
耐えて夢を追う。その先には、 リスナーの心を支え、元気の源になるようなラジオ番組がたくさん存在していることを僕は信じている。
<民間放送2009年3月3日>

危機の時代のCM考査に求められるもの、それは考査としての対応能力の充実です。

広告会社から、 媒体の考査は「いちゃもん」などと批評されることは論外ですが、 局としても柔軟な気持ちで原稿に接することは大切です。決して「価値観の相違」で判断したりしないように、 CMの表現内容や企画意図を汲んで、客観的に考査に取り組んでください。 そして、「放送基準」だけでなく、できる限り「法令等」に裏付けられた考査見解を示してください。放送基準には違反しても直接的には罰則はありません。営業の要請に対して、法令や通知などの存在を示してコンプライアンスの必要性を説明するのです。

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コラム著者/代表紹介

合同会社アドリーガル 代表社員(CM考査アドバイザー)
保有資格:消費生活コンサルタント
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会会員

1945年生まれの博多っ子。
1968年慶應義塾大学法学部政治学科卒業
同年RKB毎日放送入社
1998年第6回日本広告連盟広告大賞「ありがとう~世界一短い感謝状~」プロデューサー
2006年までRKB毎日放送ラジオCM考査責任者 退職
2008年から合同会社アドリーガルを創立し、現在に至る。

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